人事・労務だけでなく、売上・利益を伸ばす社労士が今までいましたか?
内藤社会保険労務士事務所は
残業削減・解消と独自の時間管理術による利益向上サポートを中心に人材育成教育・労使紛争・労働組合対策・賃金制度改革・退職金制度改革・年金・独立開業の実践指導を専門としています。



退職金制度を改定する際に最も障壁の高い部分が、従業員や労働組合との移行調整です。

不利益変更となる場合は原則として個別の同意を得る必要がありますので、会社の経営状況を明確に説明し、誠意をもって対応することが重要です。




 移行調整に関するケーススタディ


◆質問
当社では退職金の積立不足が拡大していく中、プロジェクトチームを作って退職金制度の見直しを図ってきましたが、実際に新しい退職金制度を適用すると今までの金額よりも低くなってしまう従業員がでてきます。

対象者としては不満があるでしょうし、将来的にもトラブルの原因となりそうなのですが・・・


◆回答
旧制度で年功序列型の体系をとっていた場合はこのようなことがおこり得ます。
特に勤務年数の長い人に対してこの傾向が強いものです。
不利益な変更に対しては従業員から反発や不満の声が出るのは当たり前の話なのです。

退職金に関する既得権を犯すべきではありませんが、経営が逼迫している状況下では「雇用をとるか、退職金をとるか」というシビアな選択であることを明確に説明しましょう。




 移行調整におけるチェックポイント


◆チェック1
まずは従業員内におけるトップ(リーダー)的な人物を説得していますか?

◆実行策
従業員側のトップを説得することができれば他の従業員には比較的浸透しやすくなります。
その際には十分時間をかけて行いましょう。


◆チェック2
現在の退職金の現状を従業員に対して公開するようにしていますか?

◆実行策
退職金制度の改定は労使双方で本音の話し合いが必要です。
判明している情報は全て出すつもりで従業員を説得しましょう。


◆チェック3
従業員側だけに負担を強いていませんか?

◆実行策
従業員の退職金を減額して、社長や役員の退職金は減額しないということであれば従業員の不満は爆発します。
痛みの分かち合いであれば従業員とのコミュニケーションにもつながります。


◆チェック4
難しい言葉や専門用語は極力避けるようにしていますか?

◆実行策
専門用語などで従業員を不用意に混乱させると交渉が難航する場合があります。
できる限りわかりやすい説明や他社の事例などを資料として用意しましょう。
新聞記事なども効果的です。


◆チェック5
全体説明会だけでなく、個別説明の準備も行っていますか?

◆実行策
全体説明会だけでは納得してくれない従業員もいますので、個別に説明を行って理解を得るようにします。
その際にはプロジェクトチームのメンバー(労使双方)を必ず同席させましょう。


◆チェック6
不利益変更の対象となる従業員に対して猶予期間を設けましたか?

◆実行策
退職金の不利益変更に納得しない従業員に対しては猶予期間を設けることも1つの方法になります。

※猶予期間とは、例えば規程変更より5年以内に退職した場合は旧規程の額で支給するといった方法です。


◆チェック7
猶予期間を設けた場合においても納得しない従業員に対して、個別の補填を考えていますか?

◆実行策
個別交渉の最終段階としては新規程を適用するにしても、退職時点で不足分を若干補填する等の措置を考えておく必要があります。


◆チェック8
解決策は比較して説明・検討させましたか?

◆実行策
全体説明会では減額の話だけをしても納得してもらえない場合があります。
会社状況を説明した上で、「このままだと廃止せざるを得ないがここはお互い痛み分けということで、何とか減額で会社としても頑張りたい」というアピールが必要になる場合もあるでしょう。


◆チェック9
個別の同意書を用意していますか?

◆実行策
退職金は毎月の賃金と比較しても相当高額になります。
その分、将来的にトラブルにつながる可能性も大きいので、退職金制度の変更に同意した場合は必ず従業員と同意書を交わしましょう。



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