人事・労務だけでなく、売上・利益を伸ばす社労士が今までいましたか?
内藤社会保険労務士事務所は
残業削減・解消と独自の時間管理術による利益向上サポートを中心に人材育成教育・労使紛争・労働組合対策・賃金制度改革・退職金制度改革・年金・独立開業の実践指導を専門としています。



経営者の方は日頃、営業活動や各部門などの管理など非常に多くの業務を抱えていることでしょう。

そんなときに、いきなり官公署から「今度御社の方へ調査に伺いますから」と電話が入ったらどうしますか?

けっこうびっくりして、ドキドキ、ソワソワしてしまうのではないでしょうか。

事実、経営者は「調査」という言葉に非常に敏感です。

別に悪いこともしていないのに、なぜ当社に調査が…という気持ちでしょう。


そこで今回の連載では官公署の調査について、数多くの実例をもとにその内容や対処法などをご紹介していきます。

官公署の調査といっても実は様々なパターンがあり、調査機関も色々なところがあります。

しかも企業にとってはかなりのリスクを含んでいます。

官公署も暇つぶしで調査をいれるわけではありません。

必ず目的をもって、調査に向かいます。

その目的というのは後で解説しますが、簡単に言うと、会社の悪いところを探したり、注意したり、ときにはお金を徴収といったケースもありますから…。

万が一、そのような調査が入った場合にもあわてふためかないよう、今回はまず調査の基本的な事項を皆さんにご理解いただくことにします。

※ちなみに私は社会保険労務士なので、それに関係する官公署の実態と手段をご紹介します。



 なぜ調査が入るの?


官公署の調査はむやみやたらに入るわけではありません。

以下のような目的をもっているのです!

その1  保険料の徴収を強化して、財源の確保を図る

皆さんもご存知の通り、今や国の財政状況は非常に厳しい状態です。

年金はもちろんのこと、皆さんが病気になったときのための健康保険なども大幅な赤字状態が続いています。

また、社員が会社を辞めた際の雇用保険(失業保険ともいう)においては、失業率の高まりにより、保険料よりも給付として出すお金の方が増えている状況です。

これでは制度自体が崩壊してしまうため、国としては保険料アップを実行するとともに、本来保険料を払うべきなのに払っていない会社を狙って調査を入れ、滞納分を徴収していくのです。


その2  不正受給を防止する

これは会社や社員がウソをついて健康保険の給付や雇用保険からの助成金などをもらっていないかどうかの調査です。

最近では大手企業の助成金不正受給問題が新聞記事にもなりました。

某大手企業では社員教育をしていないのにしたことにして何億というお金を騙し取っていたようですし、中小企業であっても社員を採用していないのに採用したことにして助成金をもらったところが、詐欺罪として逮捕されています。

国は入ってくるお金(保険料など)をしっかりと徴収したいという目的と同時に、出ていくお金(給付金や助成金など)をきちんと管理したいと考えているのです。


その3  事故等を未然に防ぐ

これは主に労働災害(仕事中の事故や通勤中の事故など)を未然に防ぐ目的として、会社内の安全管理体制を調査するものです。

建設現場などにはよく行われるものですね。

なんといっても事故率が一番多いのは建設業ですから!

ヘルメットをかぶっていない、安全ベルトをつけていないなど細かなチェックが入る場合もあります。


その4  法律違反を取り締まる

これは近年非常に多い案件で、具体的には残業代の未払いが一番多いです。

そもそも会社には法定労働時間(1週間あたり40時間)を超えた場合には社員に対して残業代を支払わなければなりません。

ところが、景気が低迷している現在では、残業代を支払っていない企業も数多く見受けられます。

そのような会社の従業員が官公署に相談し、その実態を把握するために調査が入る場合があります。


その5  官公署自体に調査が入り、その影響が企業にも及ぶ

これはあまりピンとこない方も多いかと思いますが、実は官公署自体にも調査が入る場合があるのです。

官公署は国の機関ですが、国の機関の仕事ぶり(メインはお金の使い道)を検査している機関があるのです。

イメージとしては「役所を調査する役所」といった感じですね。

官公署の方々もこのときばかりは非常に緊張しているようですよ。

このような話を聞くと、「いい気味だ!」と思う経営者も少なからずいるかと思いますが、決して人ごとではありませんからね!

官公署に調査が入れば、その先である一般の企業にも調査が及ぶのは当然のことですから




 調査はどこがやるの?


私が担当している人事、総務部門に関する調査では以下の6種類の機関が調査を行っています。

その1  労働基準監督署

厚生労働省管轄の役所で、主に労働基準法関連(労働時間や従業員とのトラブル、労災保険の保険料徴収や管理監督など)の業務を行っています。

これは私の主観ですが、労働基準監督署の建物は非常に古いものが多く、ちょっと暗い雰囲気です。


その2  公共職業安定所(ハローワーク)

労働基準監督署と同じく、厚生労働省管轄の役所で、主に雇用保険法関連(失業手当の手続きや雇用保険の保険料徴収、管理監督など)の業務を行っています。

これは会社よりも従業員の方がわりとなじみのある機関ではないでしょうか。

最近は求職コーナーでもパソコン導入が進み、失業者が仕事を探すときは給料や休みなどの希望条件を入力すると自動的に検索してくれるようになりました。

ちなにみ、公共職業安定所が管轄している助成金もあります。


その3  社会保険事務所

これは社会保険庁が管轄している役所で、主に社会保険関連(健康保険や年金などの保険料徴収や管理監督など)の業務を行っています。

最近では国会議員の国民年金未納問題などで、なにかと話題の多い年金関連ですが、社会保険事務所でも保険料徴収の強化などが活発になっていますよ!


その4  税務署(時にはマルサ)

これは私の専門外なので、あまり詳しくは解説することはできませんが、税務署の調査は非常に嫌だという声をよく聞きます。

税務署は主に国税(所得税、法人税、消費税など)の調査を行います。

税理士などが専門に対応してくれるはずですので、調査の際には必ず立ち会ってもらいましょう。


その5  会計検査院

これは先程解説した「役所を調査する役所」で6種類の調査機関の中でも一番シビアなところです。

帳簿はもとより、従業員への聞き取りなど非常に細かくチェックしますので、相当の覚悟と準備が必要になります。


その6  その他(入国管理局など)

その他の調査機関としては入国管理局などがあります。

これは外国人の不法就労を取り締まる機関で、外国人労働者が多い企業ほど狙われやすくなります。



次のページからはこれらの機関について、詳しく解説していきます。

もちろん、具体的な事例を踏まえてご紹介していきますので、お楽しみに!



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